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ITILV3 認定試験の枠組


役割別認定試験例

リソースセンター ITIL 認定試験について ITIL V3 認定試験の枠組
 
 
  • V2とV3 の違い
  • インターミディエイトレベルの認定試験構造

ITIL V3認定試験の枠組みは、ITILの著作権を持つ英国OGCからの公式な信任を得た、APM Group (以下、APMG)社によって管理されています。APMGが2008年10月に公開している “ITIL® Service Management Practices V3 Qualification Scheme”には、認定試験の枠組みの詳細が説明されています。そこでの説明をもとに、受験者に影響が大きいと思われる V2 認定試験との大きな違いを3点抜粋してみました。

  1. クレジット制の導入
  2. 受験者が目指すキャリアに価値をおいた認定試験分類
  3. 認定試験シラバスにブルーム分類学の段階的学習の考えを適用


それでは、簡単にこれら3点について説明していきたいと思います。

 

クレジット制の導入

ITIL V3 の認定試験に合格すると試験毎に設定されている規定のクレジット数が付与されます。認定を取得する毎にクレジット数は合算されていきます。この取得したクレジットの総数がITIL Expertを目指す方にとっては大変重要になります。ITIL Expertは、現在のところ試験合格を経て得られる最上位の認定ですが、ITIL Expert認定を取得するには、必須のV3 ファンデーション、Managing Across the Lifecycleを含む、合計22ポイント以上のクレジットが必要となります。

コース毎のクレジット数の詳細やITIL V3認定スキームの最新情報はAPMGのホームページ *にて公開されています。

 

受験者が目指すキャリアに価値をおいた認定試験分類

ITサービス、およびサービスマネジメントに関わる方が目指すキャリアにはいくつか選択肢があります。ITIL V3 の認定試験の枠組みでは、受講者のキャリア上の目的にあった認定試験を選択できるように設計されています。その結果、インターミディエイトレベルの認定試験は、2つのカテゴリに分けられ、さらにそれぞれのカテゴリ内で学習領域ごとに細分化されています。

 

認定試験シラバスにブルーム分類学の段階的学習の考えを適用

ITIL V3 では認定試験シラバスにブルーム分類学の考えを適用し、段階的にサービスマネジメントの知識と実務に適用できる応用力を身に付けられるように設計されています。たとえば、ITIL V3 ファンデーションではブルームレベル1,2に相当する知識レベルの習得が要求されています。この考え方を適用することにより、段階的、網羅的なサービスマネジメントスキルの習得が可能となります。

一方、ITIL V2では、プラクティショナ認定*1(特にクラスターモジュール)普及前までは、日本に限らず世界でも多くの方が、ファンデーション認定*2を取得後、マネージャ認定*3に挑戦するという流れでした。その間の要求水準のギャップは大きかったと思われます。

 

図:ブルームレベルとITIL V3 シラバス

 

  1. 現在の正式な認定名称は ITサービスマネジメント プラクティショナ認定 となっています
  2. 現在の正式な認定名称は ITサービスマネジメント ファンデーション認定となっています
  3. 現在の正式な認定名称は ITサービスマネジメント マネージャ認定となっています

 

 

ITIL V3 認定試験の枠組みについてその1では、ITILV3認定スキームの主な特徴を以下のように3点紹介いたしました。

  1. クレジット制の導入
  2. 受験者が目指すキャリアに価値をおいた認定試験分類
  3. 認定試験シラバスにブルーム分類学の段階的学習の考えを適用


今回は、「受験者が目指すキャリアに価値をおいた認定試験分類」についてITプレナーズなりの解釈をまじえて説明したいと思います。

ITIL V3 の認定資格には、ファンデーションレベル、インターミディエイトレベル、ITIL エキスパート、ITILマスターの4種類があります。ITIL V3の認定試験の枠組みで特長的な点は、インターミディエイトレベルがモジュー構造となっていることではないでしょうか。


ITIL 公式サイト(http://www.itil-officialsite.com/Qualifications/ITILV3QualificationScheme.asp)にも、「インターミディエイトレベルはITIL認定資格の枠組みのコア」と説明されており、「モジュール構造は、受験者が興味を持つ、受験者個人の研修またはキャリアの志向をもとに特定のインターミディエイト認定を選択することができる」と記述されています。それでは、インターミディエイトレベルの認定試験には、どのようなモジュールがあるのでしょうか。

 

図 ITIL V3 認定試験分類

 

上の図から分かるように、インターミディエイトレベルは、二つの領域に分かれています。ライフサイクルシリーズ*とケイパビリティシリーズです。

ライフサイクルシリーズは「管理(マネジメント)」に、ケイパビリティシリーズは「プロセス」に焦点が当てられています。もう少し具体的な説明が、 APMGが2008年10月に公開している “ITIL® Service Management Practices V3 Qualification Scheme“に、以下のように記載されています。

「ライフサイクルシリーズは、サービスライフサイクルの文脈の中でV3のプラクティスの知識を得る。ライフサイクルシリーズの主焦点はライフサイクルそのものであり、ライフサイクル内で使われているプロセスやプラクティスの要素の活用、および質の高いサービスマネジメントを組織内で実現させるために必要とされる管理能力についての知識の習得である。」(p5)

「ケイパビリティシリーズは、V3で定義されているプロセスや役割を深いレベルで理解していることを証明したい人に興味がもたれるだろう。サービスライフサイクルはカリキュラムの一部として説明されているが、ケイパビリティシリーズの主焦点は、サービスライフライフサイクルを通してのプロセスの活動、実行、活用である。」(p5)

ライフサイクルシリーズには、ITIL V3 で定義されている5つのライフサイクルステージ毎の認定試験モジュールが用意されています。

  • サービスストラテジ
  • サービスデザイン
  • サービストランジション
  • サービスオペレーション
  • 継続的サービス改善


ケイパビリティシリーズには、相互に関連の深いプロセスを4つの領域にわけ、領域毎に認定モジュール試験が用意されています。

  • Service Offerings and Agreements  SOA (サービス提案と合意)
  • Planning, Protection and Optimization  PPO (プランニング、プロテクション、および最適化)
  • Release, Control and Validation RCV (リリース、コントロールおよび妥当性確認)
  • Operation Support and Analysis  OSA (運用サポートと分析)


少々乱暴にまとめると、ライルサイクルシリーズの認定試験は、ITサービス全体を管理、コントロールする立場にある方、またはITサービスマネジメント全体をハイレベルな観点から管理、コントロールする立場にある方向け、ケイパビリティシリーズの認定試験は、ITサービスマネジメントのプロセス設計や、実装されたプロセスを管理、コントロールする立場にある方向けと、なるのではないでしょうか。

ライフサイクル、ケイパビリティ両シリーズの認定試験の主焦点と各認定試験モジュールで扱われている範囲や深さを理解することは、受験者が目指すキャリアにあった認定資格の取得に役立ちます。

たとえば、現在はおもにサービスデスクでの一次サポートを担当していて、将来はサービスデスク全体のサービス改善や、サービスデスクの責任者を目指したい方であれば、次のようなアプローチが考えられます。まず、現在の業務に関係が深いケイパビリティシリーズのOSAモジュール認定を取得し、知識の体系化と専門家としてのスキルを習得します。その後、関連する領域での実践的で専門的なスキル習得を目指すのであれば、ケイパビリティシリーズのRCVモジュールを、サービスデスクの品質をライフサイクルの視点で管理、コントロールする知識やスキルを得たいと考えるのであれば、ライフサイクルシリーズのサービスオペレーションモジュールの認定試験取得を目指す、といったアプローチです。

ITIL エキスパートを目指す方は、必須取得の認定試験を含む総合計が22クレジットとなるように認定試験に合格しなければなりませんが、必要な領域の知識だけを深く習得したい、習得していることを証明したい、または、時間をかけて確実にステップアップしてきたい受験者の方には、インターミディエイトレベルの認定試験は柔軟な仕組みであり、「受験者が目指すキャリアに価値をおいた認定試験分類」となっているのではないでしょうか。

ITプレナーズでは、IT担当者の役割毎の推奨認定資格モデルを公開しています。詳細は、こちらのページでご確認いただけます。

*英語原文ではstream や seriesという単語が使われていますが、ここでの日本語訳は「シリーズ」に統一しました。

 
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